あの子
俺たちはクラブ棟の脇を歩きながら、隣接された校舎をながめる。
「もうちょいで、卒業か」
「大学でも続けんのか?」
バスケをか?
うーん。そうだな…
濡れてる髪をガシガシと掻いて、頷いた。
キヨシは少し悲しい顔をして、
「お前は背が高いし、大学でも続けれるな。
俺は、やめておくよ」
「……そうか」
こんな話をするのは、初めてじゃない。
高校でも続けるのか?って、中学の頃尋ねられたこともあったな。
『なんで続けないんだよ』
俺から、尋ねたこともあったな…