あの子




沈黙の続く中、苦しくなった俺は何となく校舎を見た。

1階は保健室とか準備室があって、

2階は一年の教室。

3階は――――




ひよりがいる。

なんでこんな時間まで…




あんなにバスケ好きだったのに。

あんなにうまかったのに。

あんなに夢中にプレーしてたのに。

泣くほど、バスケが忘れられないくせに。



なんで、こんな時間に残って、クラブ棟を眺めてんだよ。







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