あの子
ひよりは小2の時、同じ団地の俺に話しかけてきた。
庭のバスケットゴールにシュートする俺を見て、話しかけてきた。
最初はなんだこいつ?って思ったけど、飽きずに毎日家に来てバスケをするうちに、すごい上達して。
小4からミニバスに入ると一気にレギュラー。
才能なんだろうな。
五年生だった俺は、中学に上がるまでひよりとバスケをしていた。
俺とひよりは、同じ時期に入院した。
俺は交通事故で、ひよりは不慮の事故。
病院内で顔を合わせることが多く、3年ぶりにまたバスケの話ができて、俺は嬉しかった。
だけど、ひよりが昔みたいに生き生きとバスケを語ることはなかった。