あの子
「…渡島?」
第3体育館は小さい。
バスケコートの半分の広さしかない。
その中で、かいの幼なじみはバスケをしていた。
いつもは何故か黒い布を巻いているけど、今日は床に落ちていた。
かいの幼なじみは、制服でバスケをしていた。
「…!こうくん」
俺に気づいた渡島は、布をすぐ巻いて、体育館を出ようとした。
けど、俺は逃がさなかった。
「何でお前…」
バスケ部に入らなかったんだよ…
前、かいに聞いたことがあった。
渡島は、中3のとき左膝の靭帯を切ってて、バスケはできないって。
なのに、なんでそんなに動けてるんだよ。
全国大会行けた奴が、怪我が治っているのに、なんでバスケ部入らないんだよ。
「………」