背伸び恋愛日記
Chapter2
「ひなちゃん、俺とデートしよっか?」
ある日の生徒会室で、
突然彼はそう言った。
気まぐれ、単純、女たらし、ちゃらい。
そんな印象の彼のことだから、
いつもと同じ冗談だろうと、しばらくその顔を見つめる。
会長さんは持っていたコーヒーを
飲む手前でピタリと止めていた。
「先輩、冗談はいらないです。」
「冗談?まっさかー。
俺は本気だよ?
球技大会の準備は、あと本番のグランド整備だけだし。
ね?息抜きしない?」
綺麗なウインク。
ニヤニヤした顔が、突然真面目になる。
会長さんは静かにマグカップを置いた。