背伸び恋愛日記
「やっぱひなちゃんはストレートのが似合うねえ。
最近巻いてばっかだったでしょ?
俺はこっち派。」
ひなちゃんの栗色の長い髪を、
手に絡み付ける。
そんなこと言ったって、
ひなちゃんは月曜日髪を巻いて学校に来るだろう。
…ただ、新に振り向いてほしいためだけに。
そのあとは、俺のバイトの話や注文する料理とか、
そんな他愛もない話をして…。
ふと、ひなちゃんに尋ねる。
「今日ひなちゃんを誘った理由、聞きたい?」
返事は予想通り、
「…はい。」
「誘ったときにも言ったと思うけど、息抜きだよ。
…新に振り向いてもらえないのに、
生徒会にいるのつらいでしょ。」
俺は本当に意地悪だ。
少しでも新じゃなく俺を見てほしくて、
そんなことを言ったんだ。
新を悪者にして。