背伸び恋愛日記
「今日はありがとうございました。」
そう言って寮の玄関で深々と頭を下げるひなちゃん。
「えっと、これ…」
ひなちゃんは春らしいピンクのバックから、
ラッピングされた袋を取り出す。
「…クッキー作ったので。
渡しそびれちゃってて…。」
恥ずかしそうに、
おずおずとそれを差し出された。
「ありがと♪」
自分でも驚くほどの笑顔で、
俺はそれを受け取っていた。
「また月曜日、学校で!」
ひなちゃんも笑顔になって、手をヒラヒラとさせると、
女子寮のほうへ行ってしまった。