背伸び恋愛日記


「せんぱ…」


先輩の手が、あたしの髪をなでる。


「やっぱり今日も、巻いてきたんだね。」


髪を手にとり、先輩は口づけをおとす。

切なげな表情で。


「あの先輩…」


「ん?」


にっこりと笑うその表情。

だけど、その場所をどこうとはしない。

逃げようとクルリと向きを変えた。


…先輩の顔が、あたしの顔のすぐ前にくる。

完璧に先輩と資料棚に板挟みの状態。

逃げる隙もないくらい、密着する身体。


「…新は、リオを好きだって気づいたよ。」


一番聞きたくなかったその言葉を、
目の前で、彼は言い放った。


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