背伸び恋愛日記



強引に重なる唇。


先輩はあたしの手をつかんで離さない。


「んっ…ゃあっ…。」


息もする暇もないくらい、
深くて濃厚なキス。

土曜日の先輩とはちがう。

だって先輩は、
会長さんを好きなあたしを応援してくれると思ってたから。

…それはあたしの、
勘違いだったのですか?


「はぁっ…は…。」


唇が離れたと思ったら、
急に酸素が口に流れ込んでくる。

先輩は、あたしをまだ離してはくれない。



「…ごめんね。」


抱きしめられて、混乱する。


辛いって、あたしが?


…あたしには、先輩のほうが辛そうにみえます。

そうしてしまったのは、あたしですか…?


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