背伸び恋愛日記
「突然すまなかった。
僕たちはこの学校の生徒会執行部だ。
僕は生徒会長の蓮見新(はすみ あらた)。
このちゃらちゃらしたのは、
副会長の伊豆涼平(いず りょうへい)。
こちらの女性が、
生徒会顧問の藤堂リオ(とうどう りお)先生だ。」
丁寧に説明をしてくれたことで緊張がほぐれたのか、
あたしは自然とその生徒会長と名乗る男の目を見ていた。
吸い込まれそうなほどきれいな顔に、
めまいがするほどだった。
「えっと…あの…
新入生の野々村雛音(ののむら ひなね)と申します…。」
「ひなちゃんね~っ」
けらけら笑いながら副会長の男が言った。
「だからお前は失礼なんだよ。
何度もすまない。
もしよかったら生徒会のメンバーを募集しているから、
入学式のあとにでも生徒会室に来てくれ。
興味がなかったら来なくてもいいし、
少しでも興味があるのなら歓迎する。」
少しだけ、会長さんの口元が緩んだ…?
ような気がしたのだけど、
気のせいかと思うほど一瞬で真面目な顔に戻っていた。