背伸び恋愛日記


「俺、さき行ってるから。」


目も合わせずに、先輩は資料室を出て行った。


バタンと扉が閉まる音とともに静寂が訪れる。

生徒会室には戻りたくない。

今は、誰の顔も見たくない。

無性に、凛ちゃんには会いたいな…。


無理矢理キスをされたのに、
新先輩が先生を好きって自覚したのに、
驚くほど自分は冷静だった。


だって、自分が悪いから。


涼平先輩に甘えた自分。

新先輩が気づいてないから、
自惚れた自分。


いま独りなのは自分のせい。
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