背伸び恋愛日記
「…雛音。」
どれくらいそうしていたかはわからない。
窓の外は暗くて、校内も静まり返っていた。
暗い資料室であたしを見つけた彼は、
少しだけ心配そうな顔をしていた。
「…会長さん。」
「帰ってこないから捜したんだ。
涼平は先に帰ってしまうし…。」
そっか。
会長さんは涼平さんの代わりに…。
「…優しいですね。」
「何を言っているんだ。
とにかく、生徒会室に戻ろう。」
少し困った様子。
…どうして、中途半端に優しくするのですか。