背伸び恋愛日記



「先輩は、先生のこと好きなんですね。」


「えっ…?」


顔を赤くする新先輩をみて、
胸がぎゅぅっと苦しくなった。

…大丈夫、知ってたから。

だから髪型も先生のマネっこで、
化粧も先生と同じ化粧品。

敵いっこないのに、
意味ないのに、やめられなかった。


「バカなこと言ってないで、
早く戻るぞ。」


肯定はせずに、グッと力を込めて、
座り込んだあたしを立ち上がらせる。


…否定はしてくれない。


それから会長さんは、
あたしの手を引いて生徒会室まで連れていってくれた。


でもその優しさが、
チクチクと胸に刺さる。



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