背伸び恋愛日記


「ふと気になっただけです。」


また作り笑いをする。


無理矢理な理由。



「…藤堂先生は俺と涼平が
入学したときからお世話になった人だ。

救ってくれた人なんだ…。」


だから、だから、
好きなんですね?先生のことが。


「でも藤堂先生には旦那がいる。

…かなうはずもないんだよ。」


切なげな悲しい表情。

時折見せるその表情が、
あたしは見るのが辛かった。

だから、救ってあげたかった。

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