背伸び恋愛日記



「雛音…。」


顔を上げると、先輩とばっちり目があった。

困惑したその表情を見て、
あたしもどうしたらいいかわからなくなった。


「…先輩。付き合ってください。」


だから、告白をした。

二度目の。


じっと、先輩の瞳を見つめる。

ふと涼平先輩の顔も思い浮かんだけれど、
彼のこともあたしは傷つけたくなかった。

中途半端に、優しくはできない。


あたしは、新先輩の事が好きだから。



「…雛音の言うことは、
拒否できないんだ、俺は。」


弱々しくそう言う会長さん。


「よろしくな。」


切なげに微笑むと、
もう一度あたしの頭をぽんぽんと撫でた。




あわよくば、あたしを見てください。


そんな思いをあたしは必死に殺した。



< 67 / 79 >

この作品をシェア

pagetop