背伸び恋愛日記
「雛音…。」
顔を上げると、先輩とばっちり目があった。
困惑したその表情を見て、
あたしもどうしたらいいかわからなくなった。
「…先輩。付き合ってください。」
だから、告白をした。
二度目の。
じっと、先輩の瞳を見つめる。
ふと涼平先輩の顔も思い浮かんだけれど、
彼のこともあたしは傷つけたくなかった。
中途半端に、優しくはできない。
あたしは、新先輩の事が好きだから。
「…雛音の言うことは、
拒否できないんだ、俺は。」
弱々しくそう言う会長さん。
「よろしくな。」
切なげに微笑むと、
もう一度あたしの頭をぽんぽんと撫でた。
あわよくば、あたしを見てください。
そんな思いをあたしは必死に殺した。