ジュリア
 しかしあまりにも暇な日々にさすがに嫌気が差し始めた。繰り返される何事もない日常に飽々する。
 そんなとき、新聞に挟まれた一枚の広告に目を奪われた。
 今思えば、それは僕にとって、大きな転機だった。

『雑貨屋ジュリア。アルバイト募集中』

 もともと雑貨屋は好きで、地元にいた頃から街の雑貨屋を一人で見て歩くのが休日の過ごし方だった。そして気付けば僕は、広告に書かれた連絡先に、電話を掛けていた。

 この雑貨屋での出会いが、僕のすべてを変化させることになるとは、この時は思ってもみなかった。
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