約束、しただろ…? 【TABOO】
留学中の彼の顔が思い浮かぶ。
無理矢理ぽいけど、これって浮気になるんだろうか。
目の前にいるのは、小中高オマケに大学も一緒な超腐れ縁な男、寺田聡。
今私は幼馴染みに襲われてる。
両手は一つに纏められ背中は木の幹に押しつけられ、怪しく動く舌は何度も耳と首筋を往復していた。
「ちょ‥聡…待って…」
自分の唇から、信じられないほどの掠れた声が出る。
聡の行為から逃れようと体を捩るも、却って強く幹に押し付けられてしまう。
「ダメ、逃さない。約束しただろ?」
「約束っていったって。私、こんなつもりじゃ…」
「なかった?俺は、こんなつもりだったけど」
端正な顔立ちが歪んで妖しい微笑みを作る。
それを見つめながら、ぼんやりとした頭で思い返した。