約束、しただろ…? 【TABOO】
―――約束。
確かにしたけれど―――
空手大会で、いつもあと一歩のところで優勝を逃す聡。
負けるのはいつも同じ相手。
項垂れてベンチに座り込む聡の背中がとても辛そうに見えて、元気づけようとしたんだ。
「元気出して。次はきっと勝てるよ」
そしたら一言。
「ウザい」
人がせっかく元気づけてるのにって、むかっとして言ったら。
同じくむすっとした聡と、毎度お馴染みの売り言葉に買い言葉が重なっていって。
「今度こそあいつに勝つ。したら、俺の欲しいもん一つくれよ」
「えぇ、何だってあげるわよ。勝てたならね!言っとくけど、高いものは絶対ダメだから!」
「…心配すんな、そんなんと違うから」