momo's BAR
私はたいして動揺する事無く、話を聞く事にして続きを促した。


「ママ、バーテンダーになる!」



……はは………

また何を言うんだと思っていたら、激しく可笑しな事を言いだしたな…


とりあえず最後まで話を聞いてみよう。


「今日ね、今日ね、」と子供みたいに話す母。


とりあえず話をまとめると、自分でデサインした設計が大変気に入ったらしく自分でお店を出したくなったということらしい。


もうそれは決定系で…

今日思い立っただけだと思ったら、「パパも良いって」とお父さんも既に許可済みみたいだ。

そこで許可を出すパパもパパだよね。

そんな簡単なものじゃないだろうに。



それからお母さんの行動は早かった。





お母さんの気紛れで始まったこの計画。
どんどん周りを巻き込んでももこさんまでもが今のお店を閉めてお母さんの手伝いをするとか言いしたのだ。

お母さんは端からももこさんに頼むつもりだったらしく。
なんとも自分勝手な話だ。



それが今から一年前。

着実に準備を進めてきて
そしていよいよ明日、お母さんのお店のオープンの日。

本当にももこさんも今のお店を閉めて共同経営者として働くことになり…
だから、ももこさんのお店も今日でおしまいというわけ。



今日で最後という事もあって、長年通ってくれていた常連さん達をお招きしてさよなら会が開かれることに。

時間は7時からなのでまだ5時では誰もいない。


私は入れてもらった紅茶を飲み干して席を立った。

「ごちそうさま。ね、準備私も手伝う♪」


そうそう、私はももこさんが作るお料理が大好き!
もちろん料理するのも大好きだからいつもももこさんに教えてもらってるんだ!
お母さんはてんでダメだからね。

ももこさんは調理師の資格を持っているから本当に上手。教え上手でもあるし!



さっきからカウンターの中でトントンっとリズミカルに聞こえてくる音の源を探ろうとカウンターに手を着き中を覗き込んだ。

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