天使の声を…
そう言うとユリナはへなへなと座り込む。


「悪かったよ…これから気をつけるよ」


「本当に?これ以上なにかあると、私本当におかしくなるから…」


「分かったって、立てるか?」


アイレンはユリナの手を引き、立たせる。


「……ありがとう…」


「行こうぜ」









しばらく歩いていると、目の前にひとりの女がいた。


見た感じアイレンより歳上で、肌が結構出てる服を着ている。


髪の色は金髪で前髪を分けており、右目が少し隠れてる。それと、揉み上げの部分だけ伸ばしているのか、短い後ろ髪と比べて明らかに長い。


「ああ〜!お宝ってどこよ〜!全っ然見つからない!」


その女は頭を抱えてがく然としているようだ。


「なんだ?あいつ…」


アイレンが呟くと


「…あんた達、誰よ!まさかあんた達も宝を見つけに?!」


「正解!!あと別の目的もあるけどね」


アイレンは腕を組みながら女に言う。


「ダメよ!お宝はあたしが手に入れるの!!あんた達になんて渡さないから!」


女はそう言うと遺跡の奥へと走って行く。


「あ!待て!」


アイレンが女を追いかけようとするがユリナに止められる。


「そのまま走って行って、何かあったらどうするのよ、こうゆう所は、ゆっくり進んだ方がいいのよ」


「んなこと言ったって!もしあいつに宝取られたら!」


「こんなにも広い遺跡だもの、そう簡単に見つけられないわよ」



「そうか?」


「ええ…」


ユリナは頷く。


「なら…いいんだけど」



アイレンは心配しながらも、ユリナと先へ進む。

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