天使の声を…
「私…ですか?……私は……なぜか生まれた時から術が使えて…」


「術?え…この頃から術を使えてた人はいたんじゃ…」


「当時は……よほど地位の…高い人だったり…学力のある人でしか……術は使えなかったの…です」


「そっか…で、ティラーナは生まれつき術が使えたと?」


「はい……その時世界は魔王により少しずつ…破壊されてきてたのです……それで…私の術を魔王を倒すのに生かそうと…思ったのですが……その時の私はまだ力不足でした」


ティラーナは自分の手をきゅっと握る。


「魔王のせいで…私は家族を失い……友人……故郷を…すべて失った……何が何でも魔王を倒したいため…私は様々な人に頼んで……あの遺跡の中で眠りについたのです」



「ティラーナにそんな過去があったの?」


ユリナはティラーナを見る。


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