天使の声を…
突然アイレンが男に言うと、まわりが一斉に驚く。


「う…嘘ですよね?彼が?!あなた…ウィダルなんですか?」


気が動転しながらランは男に問いかける。


「気付かれたか…そうだ…俺がウィダルだ…お前達はなんだ?」


「俺達…魔王を倒すために旅していて…」


「…魔王はお前達みたいな者が倒せるような相手ではないぞ」


「………」


「ウィダル、でも、私達はどうしても魔王を倒さなくてはいけないの、彼…彼には天使の羽があって…私も…魔王を倒すために生まれてきたものだから…」


「ユリナ?」


ウィダルはユリナの左手を見る。


「お前…聖術師か?」


「…ええ…そうだけど」


「…そうか…お前達が噂の…天使と聖術師か…」


ウィダルはアイレンとユリナを交互に見る。


「…ウィダル…一緒に魔王を倒すこと…できないかしら?」


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