天使の声を…


しばらく歩くと、ある部屋でまたあの女がいた。


「あ、お前さっきの!」


アイレンが女に指さす。


「げ!また会った!!」


「てかなんでお前も宝を狙ってんだよ」


アイレンは女に近づく。


「アイレン!!ダメよ何されるか分からない…」


「あたしは…盗賊だよ…だから宝が欲しいんだ!あんた達よりもあたしの方が先にここにいたんだよ!だから横取りなんてさせないから!」



女はそう言うと自分のバッグから小刀を取りだし、何か呪文を唱える。


すると、小刀が光ると同時にアイレン達のいた足場が崩れる。



「うわぁぁぁぁ!」


アイレンとユリナは遺跡の地下に落ちた。


「痛ってぇ!てめえ何すんだよ!」


すると穴の上から女が言う。


「お宝を横取りされちゃたまんないからねぇ、じゃ!私はお宝探しでも行って来るんでぇ」


女はアイレン達に手を振りながら去って行く。


「チクショー!!ユリナ!早く行こうぜ!あいつより先に宝を見つけるんだ!」

「なんか目的変わってない?…まあいいけど…」


ユリナはやれやれと言うように立ち上がる。







なんとか地下を抜け出したアイレンとユリナ。


「やっと抜け出せた…」


ユリナは疲れきった声で言うと


「んなこと言ってる暇ねえだろ!早くあの女に宝取られないうちに俺達が…」


「はいはい…なんでそんなに元気なのよ…」


ユリナはため息をつく。










迷路のような遺跡を通り抜け、最深部と思われる所まで来た。


「ここが…最深部かぁ…あ!あの女!」


そこにはあの女がいた。


「げ……あんた達…」


「ああ〜!ここまで来て宝を取られるなんて…」


アイレンは肩を落とす。



「は?」


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