天使の声を…
家に帰った途端、ジェーンはお腹を優しくさする。
「私の子は…聖術師じゃないように…」
「ジェーン…どうしたんだ?暗い顔して…」
夜、夫のキーストが心配そうにジェーンを見る。
「キースト…今日聞いた話なんだけど」
ジェーンは聖術師の話をキーストに話した。
「そうか…聖術師か…」
「何落ち込んでるんだい!」
突然声がして、顔を上げると、ジェーンの母親のラミカが…
「母さん…」
「自分の子だろ?どんな者でも愛すってのが親ってもんだろう」
「…そうね…」
ジェーンはお腹を撫でながら微笑む。
―でも…私の子は…普通の子であって…世界のためといっても…自分の子は失いたくない…―
ジェーンは心のどこかで、そんなことを考えていた。