天使の声を…
それ以降、ユリナは近所の子供からいじめを受けるようになった。


「人殺し!母親を死に追い込んだの、お前なんだろ!」


「この町から出ていけ!」


「痛!やめてよぉ!私…お母さんなんか殺していない!」


「うるせぇ!黙れ」


子供達はユリナの髪を引っ張ったり、石を投げたりしていた。


「やめて…」


「こら!何をしている!」


「ラミカ婆さん!やべ!」



近所の子供達が逃げるとユリナは泣きながらラミカに抱きつく。


「…ユリナ…お前のことは…私が守るから」











月日が経ち…



「おばあちゃん…私…行ってくるよ」


「ああ、行っておいで」


17歳になったユリナは、美しく、立派な少女となった。


「…ユリナ、手を出しな」


「え?」


ユリナは手を差し出すと、ラミカは薬指にあの指輪をはめる。


「これで…あんたは一人前の聖術師だよ…さ、行っておいで」


「ええ、行ってきます」


ユリナはラミカに手を振りながら家を出た。


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