天使の声を…
「…だから私は…消える運命なの…母さんだって私が生まれたせいで不幸になって…」
「ユリナ…」
アイレンはユリナをキツく抱き締める。
「アイ…レン…?」
「ユリナは…何も悪くないよ…何も…」
「え?」
「…ユリナ、俺はお前を消させない…ユリナがいなくなるとか…想像できない」
「アイレン…ありがとう」
ユリナはアイレンの背中に手をまわす。
「何もかも悪いのは魔王だ…だから魔王を倒すためにも明日、ウィダルと戦闘だな」
アイレンはユリナから少し離れ、彼女をじっと見る。
「ええ、応援しているから」
ユリナは優しく微笑む。
「よーし!明日に備えて今日は寝るぞ!」
アイレンは両手を上に上げる。
「ふふ…」
―アイレン…ありがとう…少し気が楽になったよ―
ユリナは自分の前を歩くアイレンを見る。