天使の声を…
「え?ウィダル…そんな」


「クク…ウィダル…あとは頼んだぞ」


魔王はそう言うとゆっくりと消え、それと同時にウィダルの体が黒い物体に飲みこまれる。


「ウィダル!」


アイレンが手を伸ばそうとするが、ウィダルはもう見えない。



「いやぁ!ウィダル!」


リナールも彼を救おうとするが、エーゼルに止められる。


「行かせて!!彼を…救わないと!」


必死なリナールに対してエーゼルは冷静に


「リナールさん、ここであなたが行くと…あなたの命まで失うことになる」


「…あぁ…あぁ…」









しばらくして黒い物体は消えた。



しかしそこから出てきたのは先程のウィダルではない。


ウィダルの髪、瞳がそのまま黒くなり、服も黒っぽく染まっていた。



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