天使の声を…
「ウィダルだ、ウィダル・カーミシュ…」


「…え?…ウィダル?…あのウィダル?!」


リナールは驚いた顔でウィダルを見る。


「ああ…そうだが」


「…え…どうしてあなたは…この教会に?」


「…道に迷ってしまってな…その時この教会が目に入った…それにしてもこの教会…最近建てられたのか?」


「え、ええ…今から1年前に…」


「そうか……」


「疲れたでしょう…なんか食べます?…」


「…ああ…お願いする」


「じゃあ、少しだけ待ってて下さいね」



リナールが部屋から出ていく。


「…1年前に…建てられた教会…か」



ウィダルは窓へと移動して、景色を眺める。



辺りは既に真っ暗だった。


< 152 / 213 >

この作品をシェア

pagetop