天使の声を…





月日が経ち…




「リナール様、最近世界が明るくなったような気がしませんか…」



あるひとりの祭司が、教会の外で遠くの空を眺めているリナールに言う。


「…そうね…きっとウィダルのおかげだわ」


「ウィダル?あの伝説の?」

「ええ…彼は今頑張っているのよ」


リナールは微笑む。


―どうか無事で…また…ここの教会に訪れてほしい…―


リナールはそんなことを毎日のように思っていた。





「リナール様、最近大丈夫ですか?」


「え?どうして?」


「最近、ボーッとしていることが多いじゃないですか」


「え?き、気のせいよ」


―…私…いつのまにそんなことしてたの?―



確かに最近リナールはボーッとしたり、ため息の回数が多くなっていた。


―そういえば…あれからウィダルのこと…想ってばかりいる…どうしよう…―


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