天使の声を…
「…リナール…お前のことを…ずっと想っていたから…ここまでできたのかもしれない」


「え…ウィダル」


リナールの顔は赤くなる。

「…好きだ」


その言葉で、リナールの目から涙が流れた。


「ウィ…ダル…」


「リナール?」


「嬉しい…」


リナールはそう言い、ウィダルに寄り添う。


「リナール…」


ウィダルは寄り添うリナールを優しく抱き締めた。





それから私は、ウィダルと毎日を過ごした…。



世界が落ち着いていたから…しばらくウィダルは旅に出なくていいと、私が勝手に思い込んで、旅に出ようとするウィダルを止めていた。






私は神から捧げてもらったこの身でありながら、気がつけば許されないことをしていた…。



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