天使の声を…
「ウィダル…私達…許されないわよね…」
突然リナールがウィダルに言う。
「…どうしたんだ…リナール」
「だって私の中に…ひとつの命ができてしまって」
「命…?リナール…子供がいるのか…?」
リナールは頷く。
「…だから…許されないわよね…教会を守る者でありながら…私は…っ」
リナールの目から涙が溢れてくる。
「…いや…産め」
「え…」
ウィダルはリナールの肩を掴む。
「…産んでくれ…今できた命を無駄にするな」
「………っ」
リナールはウィダルに抱きつき、泣き出した。
「リナール…」
ウィダルは泣いているリナールに優しくキスをした。
「…リナール…ずっと…愛している…だから…俺達の子を…大事にしてくれ…」