天使の声を…
「はあ?なんで?!」


「あんた達、あたしの実力見たでしょ?だから付き合うよ、ひとりでも仲間が多い方がいいでしょ?」


「まあ…そうだけど…」


「でしょ?あたしニコラ・ウーリカ、よろしく!」


ニコラはアイレン達に手を差し出す。


「ああ…ユリナ…まあ、いいよな…ってユリナ?」


気がつくとそこにユリナはいない


彼女は部屋の奥の壁を見ていた。


「なんか…あったのか?」


「ええ…魔王が過去にしてきたこと…描かれてる」


壁をよく見ると、そこには魔王が人間を次々と殺したり、人間が争う姿をあざけ笑う魔王の絵が描かれてあった。


「うわぁ…残酷…」


ニコラは顔を歪めながら壁画を見る。


「ユリナ?」


ユリナは壁に書かれた微かな文字をじっくりと読んでいた。


「そうゆうことなのね」


ユリナは一息ついて、アイレンとニコラを見る。


「これは魔王によっていろんな人を失った人達が描いた絵ね…魔王は…過去に人間をたくさん殺してきた…世界を壊す前に、人間を少なくしようとしたんだと思うわ」


「え?じゃあ今の人間の数は昔より少ないってこと?」


「ええ…今の人口は昔の3分の2位に減ってるわ」


「マジかよ…魔王って…残酷な奴だな」


アイレンは壁画の魔王を見る。


「だから…私達も早く魔王を倒さなければいけない…魔王は次第に力をつけてきてるの…だから…よろしくね、ニコラ」


「え?あたし?」


「聞いてたわ…仲間は多い方がいいわね…それに、アイレンを守る人がひとり増えることになるし」


「アイレンを守る?」


「アイレンには羽があるの…ほら、出してみなさい」

「なんで俺が……仕方ねえなあ」


アイレンはニコラに背を向けると、大きく真っ白な羽を出す。


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