天使の声を…

｢上流に行って、流れを止めるってことね！｣


｢そういうこと！じゃあ行こうか｣


ふたりが歩きはじめた時、アイレンはこの水の流れを見て、何か不思議な感覚になった。



｢これ…自然現象ではないよな…じゃあ…｣



｢アイレン！何してるの？｣

向こうでユリナがアイレンを呼んだと同時にアイレンはふと我に帰る。



｢何でもない、今行く｣


―でもさっきの感覚はなんだったんだ？―


川の横にある道を歩いてくアイレン達。


｢疲れた…｣


アイレンがボソッと呟くと


｢え？あんた毎日これくらい歩かないの？！男なのに？｣


｢う、うるさいな！男だとかは関係ねえだろ！！｣



｢アイレン、大声出すと余計疲れるわよ｣


｢…うるっせ…｣


すると



｢きゃあ！！｣



突然ユリナが悲鳴を上げて倒れる。


｢ユリナ！大丈夫か？！｣


｢だ、大丈夫だけど…突然壁から水が…｣


｢え？｣



さっきユリナがいた所を見ると、壁にあいている人の手のひら位の大きさの穴から水が勢いよく吹き出している。




しかも、しばらく吹き出て止まり、そしてまた吹き出すという感じ。


｢なんなんだ？これは…この前はこんなのなかったのに｣



ニコラが辺りを見回すと、所々にそのような穴があいていて、皆それぞれ水が吹き出し、止まりの繰り返し…