天使の声を…
「ウィダル…」


「俺は今からすぐにフューティスに向かう…お前達もこの魔界が沈む前にここを出ろよ」


そう言うとウィダルはアリアと共に消えた。


「ウィダル!!」


リナールは今にでも泣きそうな顔でウィダルの名を呼ぶ。


「リナールさん、今は早くここを脱出しよう、早くすればフューティスでウィダルとまた会えるかもしれない」


エーゼルがリナールの手を引きながら言う。


「……そう…ね」



「行きましょう、早くしないとウィダルに会えるどころか僕達まで沈んで行ってしまう」


「そうです…急ぎましょう」


アイレン達は魔界の入り口まで走った。



―ウィダル…どうかそんなことしないでくれ―



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