天使の声を…




フューティスではウィダルがある平地に立ち、アリアを抱きながら屈める。


「…お父様…私達…死ぬの?」


「ああ…アリア…すまないな、こんな父親で…お前のそばにいてやることもなければ…お前を殺そうとして…最低な父親だな」


「ううん…お父様は素敵なお父様よ…」


「アリア…」


ウィダルの涙が彼の頬を伝わってアリアの顔に落ちる。


「だって…こんなに格好良くて…強くて…優しいお父様…ほかにいないわ…」


アリアは力を振り絞ってウィダルを抱き締める。


「アリア」


するとふたりの周りにいくつもの細い光の柱が出てくる。


「…アリア…すまない…何もしてないお前まで死ななきゃならないなんて…」


「ううん…お父様…私死ぬことなんて恐れてないわ…嬉しいの…死ぬ時はお父様と一緒なんて…」


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