天使の声を…
「魔王?!」
屋敷の中でエーゼルは驚きながらニコラを見る。
「そう、魔王を倒すためにこのふたりと一緒に旅してたの!」
ニコラはアイレンとユリナに紅茶を配りながらエーゼルに言う。
「でもなんでお前ここに帰ってきたんだ?」
「これからの旅に必要なものを集めにと置き手紙を書こうかと」
「置き手紙?!」
「そう、あんたがいない間に書いてさっさと行こうと思ったわけ!」
「そんな…ニコラが俺に逢わずに魔王退治とか…もしニコラに何かあったら……俺……っ」
エーゼルが言うと辺りはしんと静まる。
「…………」
「なんだよ、心配しなくたってあたしは大丈夫だ…」
「ニコラに何かあったらもうこんなにセクシーな体見れなくなる!」
「は?」
「魔王のことだし、ニコラが死んだとしたらその辺に捨てるだろ、だとしたらお前のその体が徐々に腐敗していって…ああ〜!想像しただけで嫌だ〜!」
「エーゼルー!!!」
ニコラはエーゼルを力いっぱい叩く。
「いだ!!」
「あんたってヤツは!!」
そんなふたりを見てユリナが
「ふたりって仲がいいのね」
「はぁ?どこが!」
ユリナの言葉にニコラは照れながらも怒鳴る。