天使の声を…
「ふう…ねえユリナ、この砂漠…あとどれくらいで抜けられる?」


エーゼルが水を飲みながらユリナに聞く。


「もうすぐだと思うわよ…」

「そうかぁ…もう砂漠なんてこりごりだぜ」


「ユリナ、フューティスまであとどれくらいだ?」


「うーん…まだまだね、これから色んなところを歩くから…」


「…そっか…」


「ねえ、今日はここで休まない?陽が沈みかけてる」

ニコラがアイレン達に言う。


「あっちの方に行けば小屋があるんだよ、そこで休めばいい」



「小屋?」


「そう、旅人用の小屋みたいなの、だからそこで泊まろう、夜の砂漠は冷えるんだ」


「ええ、そうしましょ」




小屋の中は旅人用の布団など、休むには便利なものばかりあった。



「こんな所があったんか〜」

「うん、でも寝ずの番はいた方がいいね…ここの小屋、そんなに頑丈じゃないから」


「え?ニコラがここに泊まった時どうしてたのか?ひとりだっただろ?」


「その時は運を信じて寝たんだよ、まぁ…そのせいで襲われかけたんだけどね」


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