天使の声を…
一方、ニコラは別の牢屋で檻を小刀や近くにある硬い物を使って壊そうとしていた。
「…畜生…全然壊れない」
すると奥からふたりの鎧を着た男達がやって来る。
「…っやば…見つかったら…」
ニコラは急いで道具を片付けた。
そして男ふたりが自分の牢屋の前を通過するのを待つ。
―早く行け!―
しかし男らはニコラの牢屋の前で立ち止まる。
「…この傷は?」
―やばい!檻の傷が…―
「ニコラ、お前も逃げようと?」
「え?」
男達はそれぞれ兜を取る。
「アイレン、エーゼル…」
「早く出るぞ」
ニコラを助けると、彼女はふたりに真剣な顔で言う。
「大変なんだよ!ユリナとミカが…どこかに連れて行かれた!」
「え?」
「こっち!早く行こう!」