天使の声を…
「いたた…」


「アイレン!」


「このぉ!」


ニコラがバッグから小刀を取り出し、ダーキャスに向かって投げる。


「このようなもので俺を倒せると?」


ダーキャスはそう言うとニコラの小刀をそのまま握り、粉々に砕いてしまった。

「な?!」


「…小刀を…砕いた」


「フ、全く愚かな奴等だ、お前達の力で俺を倒せると思ってたなんてな…笑わせる……特にアイレン・フェスト、今お前をその場で消えてもらおうか!」


「え?…うわ!」


「アイレン!」


アイレンは先程のミカのように、彼のまわりに黒い空間が広がった。


「ダーキャス!何を…うわぁ!」


アイレンの体は締め付けられるような、あちこちから何かに刺されるような…そのような感覚になる。


「フフ…やはり無力なのではないか…お前がこうやって苦しむ顔、俺にとっては最高の顔だからな」


「なんて残酷な奴…」


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