天使の声を…
するとユリナはアイレンの手を両手で包んだ。


「ユリナ?」


「アイレン…アイレンだけよ…私をひとりの女として見てくれるの…」


「ユリ…ナ…?」


「……そろそろ…寝ましょ」

「え?あ…うん」


ふたりはまた歩き出す。


―さっきのユリナ…なんか悲しそうだった…なんでだろ―


アイレンは首を傾げながら歩いた。









「おやすみ、アイレン」


ユリナはアイレンに背を向けて眠りについた。


―ユリナに…何かあるのだろうか…―


アイレンは疑問に思いながらも眠りにつく。









「んー!!」


朝、アイレンは珍しく早く起き、背伸びする。


「朝はやっぱり気持ちいいなぁ」


「アイレン…おはよう」


「?」


背後から声が聞こえ、振り向くとそこにはユリナがいた。


「ユリナ…起きてたのか?」


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