天使の声を…
「お前!すげえな!さっきも魔法使ってたし!…てか…この指輪…なんなんだ?」


アイレンはユリナの指輪を指さす。


「これは私が聖力を持つ者という印…私が生まれた時に手に握ってたみたい…さっきの魔法も、あなたの怪我を治した力も…みんな聖力よ」


ユリナは自分の指輪を見る。


「私達みたいな人のことを聖術士っていうの…この世界に…まれにしかいないけど」


「そうなのか…」


「あ!早く行かないと!こうしてるうちに陽が暮れちゃうわ!」


ユリナは森の出口に向かって歩き出す。


「あ、おい待てよ」











森を出ると一気に辺りが明るくなった。


「うわ!眩し〜!」


アイレンは手で目を覆う。

「そうねぇ…とりあえず、近くの町で食料とかを買いましょ」


「え?そういや…俺んとこの金…使えるのか?」


アイレンは自分の財布を取り出す。


「大丈夫よ!天上界でもここでもお金は一緒だから」

「そうか…ならいいんだけど」


「じゃあ行きましょ!いっぱい歩いたわけだし、体少し休ませましょ」


ユリナはアイレンの手を引っ張り、近くの村まで行く。








「うわぁ…にぎやかだ…」


ふたりが足を踏み入れた所はビラントというにぎやかな町だった。


「ここはこの世界で一番大きい町って言われてる所よ、だから人間界の人は一生に一度は訪れたい所なの…」


「え?そんなにすごい所なのか?」


「ええ…なんでもあるからね……さ、これからの旅に必要な物を買いましょ、あなた、結構お金持ってるみたいだし」


ユリナはくすくす笑いながらアイレンの財布を見る。

「…嫌だよ!今俺…これでも貯めてんだよ」


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