コバルトブルーの恋
「顔、ぐしゃぐしゃ」
「へ?」
「舐めてあげよっか?」
はい?
何言ってんだ?この人…。
「丁重にお断りします。」
私はスカートのポッケから鏡を取り出す。
うわっ。
「お化けみたい。」
「可愛いお化けだね?」
森田君は、そう言った。
可愛いですか?
「あはは、」
「ふきなよ、顔」
「はい…。でも、汚れちゃうよ?
ハンカチ。」
私は、さっき森田君から受け取ったハンカチを見る。
見るからに高そう…。
これじゃ、もったいなくてふけないよ。
「それ、ばばあのだから。」
あら、ばばあって。
あ、反抗期みたいな。
そういう年柄ね。
「大丈夫、ハンカチならあるの。」
そう言って、ハンカチを返す。
そして、ポッケからキティーのハンカチを取り出す。
憂君からもらったハンカチ。
私の誕生日にプレゼントとして貰った。
憂君の笑顔を添えて…。