キミに捧げる温もりは愛と呼ぶ
「大丈夫。きっと大丈夫!」
そう自分を落ち着かせ勇気を出して
部屋の扉をノックした。
「はい」
中から聞こえる麻乃雲君の穏やかな声。
「風咲です」
私が扉のドアノブに、手を掛けようとした瞬間
扉が、勝手に開いた。
「ぉ!風咲もぅ、来たんだ」
「急に押し掛けてごめんなさい」
「全然。入って?」
「お邪魔します。」
扉を越えて中に足を踏み入れた瞬間
ほんのりと香るラベンダーの匂いが
私の鼻をかすめた。