キミに捧げる温もりは愛と呼ぶ
「ん?何?」
「・・・ごめんなさい。」
最初に私が口に出した言葉は謝罪。
今まで麻乃雲君を騙してきたことについて。
私がなんの事で謝ったのが分かったのか
麻乃雲君は、そのまま黙り来んで
真っ直ぐに私の瞳を見つめる。
「あ・・・あのね?
別に隠していた訳じゃないの。
ただ、自分の名前が嫌だっただけで……。
私の本当の名前は、“刹神 藍羅”。
正真正銘の麻乃雲玲斗様の婚約者です。」
そう言うと、麻乃雲君は
小さく頷き私の話を聞いてくれた。
「正直、昨日刹神様に
聞いたときは驚いたよ。
似ているとは思ってたけど、まさか
同一人物だったなんて。」
「ごめんなさい。」