キミに捧げる温もりは愛と呼ぶ




それは、ある日突然やって来て、
お父様に言われた、たった、一言だった。

「お前の婚約者が決まった。
近いうちに顔を合わせる、だから
愁也君とは別れなさい。」

「え?お父様?冗談は止め…」

「私が冗談を言うとでも?」

「わ、私は嫌です!愁也以外の方と婚約など」

─────パシンッ

一瞬だった。
私の左頬に痛みが走った。

「言っておくが、
この状況にさせたのは藍羅……お前自身だ。
恨むなら自分を恨みなさい。」


・・・許せない。
許せない許せない許せない許せない許せない。

クラスメートも、先生も、
スタジオのスタッフさん達も
そして、お父様も!

どうして?どうして私だけ
こんな目に遭わないといかないの?
あまりにも、酷すぎるよ。

私が、どれだけ愁也の事を好きなのか
お父様やお母様も良く知ってるじゃない!

たった一人、
愁也だけは私の見方をしてくれる。
あの時のように、手を差しのべてくれる。
そう、信じてたのに・・・
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