キミに捧げる温もりは愛と呼ぶ
「妃之羅様は、
おやすみになさっているのですか?」
「あぁ。とりあえず家まで」
「分かりました」
窓からの景色がどんどん流れていく。
そして、藍羅の携帯が鳴った。
マナーモードにしているのか、
バイブレーションが鳴り止まない。
発信相手だけ見てみると
‘西花李呂’という名前が表示されていた。
さすがに出るわけにもいかないし
藍羅を起こすのも可哀想だから
俺は電話を拒否し、切ってしまった。