キミに捧げる温もりは愛と呼ぶ





「姫様…」

あぁ…懐かしいな。
この、透き通るほど美しい音色で呼ぶ声。

「蘭々…」

「大きくなられましたね。
昔だったら『らーあ』って呼んでいらしたのに。
人が成長するのは早いものですね」

そう言って…
ニッコリと、優しい微笑みを見せる人。

この人は、私のお世話役の蘭々(ララ)…
いつも、面倒を見てくれた
唯一家の中で家族よりも1番大好きだった人。

「愁也様も…お元気そうで何よりです」

「あぁ…おかげさまで。」

お互い優しい笑顔で挨拶を交わす。

私の居場所が、ないみたい。

「では、愁也様をご案内して差し上げて?」

《分かりました》

蘭々が指令を出すと、従う他のメイド達。

「では、愁也様ご案内させて頂きます」

「あぁ、頼むよ。
あとこの玲斗を先にあちらに案内してあげて」

「かしこまりました。
では麻乃雲様、こちらに…」
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