キミに捧げる温もりは愛と呼ぶ




私が必死に表へ出ようとすると
また、さっきのような頭痛に、襲われる。

『いっ…Σ』

「ここから先は私の時間だ。邪魔をするな!」

そう言って
痛い頭を抱え込みながら、表に出ている
もう1人の私に従うしかないんだ。

ううん。従うんじゃなくて
従ってしまうんだ。

愁也が亡くなったあの日から…
ひとりぼっちの私にとっては
寂しい思いをしなくて済むから、
だから、無意識に自分は哀れで可哀想だと
同情してしまう私もどこかにいる。
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