1. 君色-the great blue yonder-
「ゲホゲホ・・・ちょっと待ってよ・・・菜緒、何もやってないでしょ・・・?」

志穂の顔に笑顔が広がる。

なのに目は全然笑ってなかった・・・

すっごく、すっごく冷たかった・・・

怖い・・・

怖いよ。

『何言ってるのかな、神崎さん?あなたは重い罰を受ける理由がちゃんとあるわよ。』

すらっと、でもちゃんとした声で志穂は答える。

「菜緒分かんないよ・・・菜緒、何やったの?何もやってないじゃん・・・」

咲はニッコリと笑う。

天使の笑顔のはずなのに・・・

菜緒には悪魔にしか見えなかった。

『西川君に近づいた。それだけ。』

「え・・・でも席隣同士だから近づくも何も・・・」

それ以上菜緒は何も言えなかった。
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