1. 君色-the great blue yonder-
やっと一時間目が終る・・・

俊は友達と何処かに行ってしまった。

この一時間ずっと俊と話していた。

すっごく楽しかったぁ!

おまけに何か流れで何故かメアド交換しちゃってるし・・・

勝手に顔が緩む。

やっばい・・・

何一人でニヤけてんだ、菜緒は?

そしたら、

『神崎さん、だよね?』

いきなり後ろから楽しそうな声がかかる。

「え゛!?あ、こん、にちは?」

突然だったから奈緒はいきなりお惚け全開。

何故質問系なの?

『私、柴田沙希って言うの!沙希でいいから。』

そしてにっこりと笑う沙希の笑顔を見た途端に彼女の第一印象は“可愛い”と”大人しい”に決定した。

「知ってると思うけど、神埼菜緒だよ。菜緒でいいよ?宜しく、ね。」



その後の一日は、授業中は俊と、休み時間は沙希と、話しながら過ごした。

以外と沙希とは話がスッゴクあっちゃって、

人見知りする菜緒でもスンナリと話せた。

それと、第一印象の”可愛い”は大正解だったんだけど・・・

とてもじゃないケド”大人しい”とは言えない程、騒がしい。

沙希のあの小さな口は・・・

途轍もない働き者だ。
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